特集3 URA(University Research Administrator)ステーション

北海道大学URAステーションの活動。

田中 晋吾

Q.1URAになった経緯は?

 2008年に全学の「サステイナビリティ・ガバナンス・プロジェクト」で雇用され、研究と教育を始めました。途中で「持続社会構築環境リーダー・マイスター育成」という国際教育プログラムに異動になって国際関係の活動が多くなっていき、2012年に現在のURAステーションに国際担当URAという形で加わることに。最初の半年間は、学内の国際関係の部署との連携を強化していく仕事。翌年からURA全員で研究大学強化促進事業の獲得に取り組みました。

Q.2北極域のご担当だそうですね。

 日本で北大は北極と周辺域の研究では中核的な位置をしめていますが、これまでは研究者が個々に研究していて比較的小規模なプロジェクトが目立っていました。そこで北極と周辺域を研究している先生方を集めて「北極域研究センター」が創られ、2015年度から始まる大型のプロジェクトの中核を担うことになりました。プロジェクトは北大、国立極地研究所、海洋研究開発機構が連携して進められるため、この3機関の調整役も私が担当します。

Q.3北極域以外の実績は?

 文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業。これは大学の国際化を支援するための事業で、年間4億円の支援金が10年間交付されます。前評判では「10大学ぐらいで私大も含める」という話で、北大では理事2人を含むプロジェクトチームを組んで、企画を練り、申請書を提出しました。じつはみんな「落ちたら取り返しがつかない」と、けっこうプレッシャーがかかっていたので、無事採択されたときにはホッとしました。

Q.4URAがいる意義とは?

 大学は教員が中心になってディスカッションをして合意をとって物事を進めていくのがベースですが、それだとスピード感に欠けるしドラスティックな改革は起こしにくい。世界のスピードに対応するには、トップのほうで方向性を見定めて、少人数のチームを動かしていく体制も必要です。ただ「URAは研究者のほうを向いていない」という声も耳にするので、各部局内にもURAを配置して、先生方がURAをより活用しやすい形にできればと思っています。

天野 麻穂

Q.1URAになった経緯は?

 研究者をしていて、そろそろ人生の折り返し地点かなと思ったときに、URAのことを知り、おもしろそうだったので応募しました。2014年2月にURAステーションに異動して、2015年4月からURA職。元研究者なので、研究者の気持ちはわかるはずです。先生方から「どうしたい」とか「今こんな技術がある」とか、いろいろ話をお聞かせいただいて、こちらからは情報を提供したり、連携するお相手をご紹介したりしていきたいです。

Q.2今やりたいことは?

 ロボット関連のプロジェクトをやろうとURAで企画しています。ロボットに強い大学は他にもありますので、北大ならではの技術を活かして、異分野の先生を結びつけ、社会のニーズを満たす方向に進むのが正解かなと個人的には思っています。1+1=2だけじゃなく、赤い1と青の1をたして紫の2を作るみたいなことがしたい。それで2015年7月には「先端科学と医療安全のクロスオーバー」という出会いの場も設ける予定です。

Q.3何か研究者にうれしい話を。

 北大では総長室経費の一部が研究を育てるためのお金として位置づけられています。昨年までは広く薄く配分されていましたが、新しい北大の柱になるチーム型の研究をする研究者1人に集中投下されることになりました。通称名「HokREST」。部局長の推薦と研究戦略室幹事会の推薦で20人ぐらいが候補になり、最終的に選ばれるのは1人です。事業立案から、どうやって選ぶか、公平感を出すかと、URAでは綿密な調査をして、指標も作りました。

Q.41人しか支援しないのですか?!

 「Fusion-H」という事業があります。40歳未満の研究者、異分野の先生方に集まってもらい、将来、北大の旗となるような新しい研究を始めていただく施策。あまりに斬新すぎて誰も相手にしてくれないものに対して150万円の支援をします。予定では7件くらい。期待しているのは文理融合です。URAになって、経営層が研究者に期待することと個別の研究者が願っていることの違いがわかってきたので、うまくすり合わせる役目も果たしたいと感じています。